All 9 tracks: Groove Master(2:52)/ Perfect World(3:49)/ Mile Stone(3:08)/ Giant Sequoia(3:05)/ 深海(6:36)/ Turning Point(2:34)/ ゆかた(4:28)/ Matador(2:42)/ 放課後の芝生の上で(3:05)/ ■城直樹(じょう・なおき)のテビュー・アルバム。1980年1月生まれというから本作は23歳の時に発表したアルバム。その若さにして「デビュー盤でこれ程までに芳醇な音楽を作り出せる新人が遂に登場してきたんだなぁ!!」というのが、本作を一聴した私の第一印象である。1曲目の「Groove Master」は、その音色とボディ・ヒッテングのリズムやタイミング等から私はプレストン・リードの「SLAP FUNK」を思い浮かべてしまった。それほどにプレストンの影響色濃い作品ではあるが、このアップ・テンポでボディ叩きまくりの曲を最後まで緊張感を持続したままで(ボディヒッティングがクドくなったり下品になったりせずに)聴く者の耳を釘づけにさせる彼の実力は並じゃない。それはまさに「これが城直樹のギター・スタイルの1つです」といわんばかりの名刺がわりの1曲で、彼のライヴ・コンサートでもオープニング・ナンバーになる事が多いというのも納得だ。続く2曲目のアルバム・タイトル作品「Perfect World」は一転してスローなナンバー、ボディ・ヒッティングとタッピング・ハーモニーを上手く組み込んだリフのフレーズが印象的な「Mile Stone」、テンポの変化も面白い「Giant Sequoia」、そして本作の聴きモノの1つ5曲目の「深海」だ。そのタイトルに相応しく深く静かな海中あるいは海底のイメージがそのまま伝わってくる見事な作品で、6分を超える大曲だが一瞬時間の流れを忘れるかのような静かな感動を覚える。